もったいない
11月で閉館と知り、まずもったいないと思いました。雰囲気も、お風呂も、お食事もとっても良かったです。いつもは素通りしていた川原湯温泉でしたが、今回行って分かったことは、とにかく熱いお湯がコンコンと湧いていて、共同浴場の1つは、露天で混浴で自然いっぱいの中でのお風呂です。朝7時からはいれます。温泉卵が30分くらいで出来るとのことで生卵を持ってきている方が多かったです。宿は、館内いたるところに趣のある工夫がしてあり、充実した時間が過ごせました。翌日は、ダムに関係した代替地や渓谷の遊歩道を歩きました。昼食は温泉街の「旬」で食事をしました。お勧めです。
また訪れたい場所です、ここは。
11月末に休館ということで現在営業中ですが、川原湯温泉郷で2つしか現存していない旅館のひとつということもあってとてもさみしいです。
機会があれば、休館前にもう一度訪れたいです。

【部屋】「建物が古いので階段になりますが、3階で大丈夫でしょうか?」と予約前から気遣いをみせてくれた。とくに問題なかったので、OK。当日お世話になりますーと案内された部屋は二間続きでとても広かった。部屋の入口に古いマッサージ(チェア)があったので、10分100円だったがとりあえずやってみた。座りにくくてやたら蚊にさされた。マッサージをしている間は、部屋の外からは出られないので・・・二間続きの別の扉から出入りすることになる。

【対応】
少し離れた駐車場に車を止め、旅館入口の写真を撮っていたら、「ようこそいらっしゃいませ」と声をかけてくれた。旅館へ入るとその場にいるスタッフが笑顔で「いらっしゃいませ、お疲れさまでした」と旅をねぎらう一言をかけてくれた。ごはんときには、近くにスタッフが待機しており、飲み物や料理のペースなんかも把握していたみたい。廊下ですれ違った時も作業中でも、私たちが通ると会釈してくれたり「ごはんはいかがでしたか?」「お風呂も気持ちいいですよー」と気軽に話しかけてくれたりしてよかった。

【食事】
宴会場のような大広間に仕切りをつけられた空間で朝も夜も食事。席に着いておしぼりで手を拭いてると絶妙なタイミングで生ビール。しかも中ジョッキで冷えてて美味い。品数は全部で13品(デザートも含めて)。炊き込みご飯が(おこげもできてて)おいしかったんだけど、食べきれず・・・「ラップをお持ちしましょうか?」と声をかけてくれて、夜食にとおにぎりをにぎってくれた。
宿のオススメ料理として「馬刺し」や「牛たたき」があったのですが、「馬刺し」の用意がないということで残念でしたが、頼んだ「牛タタキ」はとても肉厚で美味しかったです。ビールに合うツマミとして大活躍でした☆

【風呂】
まだ新しいであろう露天風呂(貸切風呂としても活用)は2つあり内風呂に比べてぬるい。露天風呂というより、半露天といったかんじ。ちょっとセレブな人が「庭に露天風呂作っちゃってさー」といったかんじでほとんど外が見えない側と、外から丸見えじゃないか?って側。夜に入ったら非常に暗い。もう少し照明がほしいとこ。
内風呂は、時間によって男子と女子が入れ替わる仕組み。温度も70℃と少し熱いように感じるが、表面だけで中はそうでもない。体の芯から温まるといった感じ。大浴場とは異なるので決して広くはないが狭くもない。
有名な砂塩酵素風呂ですが、「せっかくだから」と思ってやってみたら、間違いない!!砂風呂自体が初めてだった私たちは、砂があんなにも重いんだとびっくりし、たかだか10分程度ですごい汗の量。専属のスタッフさんが途中冷たいタオルで顔を拭いてくれるのでとても気持ちよくて、砂風呂室内に流れているBGMも心地よくて思わず私は眠ってしまいました。終わってシャワーで砂を流して・・・女子側にはなかったですが、男子側にはクモの巣があったそうです。ま、田舎なのでクモの巣くらいあると思いますがシャワー室には不釣り合いだと思われるので、ここは確認していただきたいと思います。

【眺望】
部屋からの眺望は悪くはない。3階ということもあって旅館入口のすぐ上なので、夜は看板のライトが点灯している。部屋の電気を消したら、真っ暗。窓からは山が見え、休館された柏屋さんと隣接してて、目の前に同じく休館されたみよしやさんが見える。到着したときしか眺望は見ないのだから、あまり気にしなくていいと思う。

【環境】
旅館全体が昭和の雰囲気を出していて、階段を上がるとギィギィ音が鳴ったりとか、畳が重みで凹んだりとか、まるで田舎に帰ってきたときみたいな暖かい雰囲気を感じることができました。
近くには新源泉もあって足湯につかりながら温泉卵を作ることができます。

【総合評価】
各界の著名人のサインがロビーに飾ってあったり、大正時代からの旅館の歴史とか写真が飾ってあったりで、休館することがもったいないように感じました。
談話室というのもあって、コーヒーや薬草茶を飲みながら本が読めたり(いくつかマンガもありました)・・・ただここは蚊にさされるので蚊取り線香とかあるとよかったのだけど。ここだけテレビが最新だったのが笑えました。部屋と同じでブラウン管じゃないんかい!!と。
ご縁
鬼怒川に宿泊する途中の宿として選びました。
八ッ場ダム建設で今話題となっている所に行く機会が有ろうとは夢にも思わなかったので資料館見学や橋工事を目の当たりにし、実感し驚きました。
350年も続いたこのお宿も沈んでしまうやりきれない思いが宿の方にも客の方にも有り、変な一体感の一泊でした。
砂塩酵素風呂は初めての経験で、さほど汗も掻かなかった割に後ほど小顔になったり二の腕が絞まっていたりしてとても良かったです。
お宿やお部屋は350年だけに多少の古さは感じられますが、二間続きのお部屋でしたし、有名人の沢山の色紙や昔のお宿の写真など、当時の繁栄ぶりがうかがえました。
食事も高価な物は有りませんでしたが薄味の割にしっかり味が付いて美味しかったすです。冷めていた茶碗蒸しも炊きあがっていた釜めしも初めての体験でしたが、ダム工事の為に住む人も少なく仲居さんが隣町からの通いの為の工夫と思いながら頂きましたが、その冷めているのも又美味しく、鱒のお造りでこんなに美味しいのも初めてでした。
近ければ又行きたいと思うお宿でした。