千葉県我孫子市の自宅から富山県高岡市の実
千葉県我孫子市の自宅から富山県高岡市の実家に墓参帰省し、帰途渋温泉、尻焼温泉に宿泊した。渋温泉は湯田中温泉郷のなかで最も歴史が古く、温泉郷の中では最も山側に位置する。湯田中温泉郷は湯田中、新湯田中、星川、穂波、安代、渋の各温泉の総称で旅館街はどこが境界かわからない位に渾然一体化している。強いていえば、温泉郷の脇に流れる川の右か左かと、川にかかる数本の橋の上流か下流かで名称が異なるような気がした。渋温泉ではトクーの感想文を見て、大丸屋旅館を選んだ。7軒ある外湯の鍵は共通で宿泊客には無料で貸し出す。湯は掛け流しで、直前に誰か入っていないと、いくら水を注いでも熱くて入れない。水道水を沸かして温泉と偽るどこかの旅館街とは全く無縁の世界だった。この街中で一際目についたのは金具屋という旅館。明治期に建てられた木造4階建ての大旅館で、「モノノケ姫」の舞台にもなったとか。横山大観の元別荘が安代温泉にあると聞き、本館を訪れた。地図まで書いてもらい訪ねたら、車で10分もかかる角間温泉についた。桧皮葺の屋根、木造ガラス戸など、当時のまま。運よく内部を拝観させてもらえたのは、望外の喜びだった。大丸屋旅館は、川沿いの車道とそれに略平行な石畳の散策道との間の細長い敷地に建つ和風旅館。駐車場は無く、橋を渡った公共駐車場(1日800円)にとめ、旅館が300円負担する。宿は建て替えて数年しか経っておらず、案内された部屋の畳もまだ新しい。その部屋は車道に面しており、眺望はなし。覗き見を防ぐ為の樹木が植えてあるので当然。食事は宿泊客全員が、朝夕ともに地下1階の大広間で。和風料理の質・量は共に満足。地下を感付かせない部屋の造りに感心。露天風呂も車道に面していたが通りからは完全に隔絶された造りで、半身浴用の為かパイプ椅子が湯船の中に2つ置いてあった。宿の浴衣で石畳の道を散策していたら、ある土産店から「大丸屋さんなら1割引くわよ」と声を掛けられた。宿に戻って女将に話をしたら、件の店は親戚がやっている由。外湯の中心「大湯」の近くにも親戚の店があると。肩肘張らずに気さくに説明してくれる女将にも好感が持てた。
前日は志賀高原でしたので、山道ドライブを
前日は志賀高原でしたので、山道ドライブを楽しんで渋温泉に到着しました。渋温泉は温泉めぐりもあり、昔ながらの佇まいの雰囲気のある温泉街でした。大丸屋旅館さんは、その温泉街のなかにありました。車で宿の前に着き、フロントで駐車場の場所を伺うと、川向こうの公共の駐車場を教えられました。宿の前で荷物を降ろし、主人が停めに行ったのですが、駐車料金1泊800円かかったとのこと。宿の説明には何も書いてありませんでしたし、駐車場を教えられた時にも何も言われませんでしたので、何だか損をした気持ちになりました。最初から説明されていれば、何とも思わなかったかもしれません。館内は、改装したばかりのところはとてもきれいで、こじんまりとしていてお掃除が行き届いていたように思います。気持ちよく過ごすことができました。お風呂は貸切の露天風呂と内風呂がありましたが、どちらの泉質も良く(お猿の温泉:地獄谷から引いているそうです)大きめでゆっくりと楽しむことができました。ただ、露天風呂の中に、普通キャンプなどで使う、背もたれ付の折りたたみ椅子が入っていて、金属部が錆びていてとても不潔に感じました。椅子が必要なら、浴槽用の椅子を置かれたほうがいいと思います。食事は朝食・夕食共に品数が多く味も美味しいものでした。夕食の前に不思議な電話があり「夕食のときにビールがない」と言われました。のんべいではないですが、温泉の後の食事にビールが無いなんてとても不満でしたので、仕方なく近くの酒屋にビールを買いに行きました。食事処の宴会場に行ってみると、他のお膳のところにはビールがあるではありませんか。あの電話は何だったのでしょうか?それと、宴会場に給仕などのお世話をして下さるおばあさんがいらしたのですが、常連の方のところでずっと世間話をされていて、ご飯のお代わりなどをお願いするのに気兼ねしました。セルフサービスにして下さったほうが、良かったです。当然、翌日の朝食のときも同じでした。とは言え、渋温泉をリーズナブルに楽しむのなら、この宿はお勧めです。