01旅行代理店手数料を100％カットし、お客様に還元する「卸価格販売」

卸価格サービスを考案したのは1997年9月中旬でした。

場所は、箱根神社平和の鳥居の近くの駐車場で、いつも持ち歩いていた古いノートに旅行業界を変えるアイディアを次々と書き連ねていました。

すでに大まかなアイディアはできていました。上述のとおり、宿泊料金に20～30％もの旅行代理店手数料が上乗せされているという話を宿泊施設のオーナー様に聞いていたからです。
曰く、「直接予約してくれたら手数料分割引するよ！特に宿泊直前の空室であればさらに安くできる！」とのことでした。

これを聞いたときに、ビジネスになるというより、「自分自身がお得に旅行できるようにしたい、また同じような仲間を集めて、サークルのようなものができたら喜んでくれるのではないだろうか？」と考えたのです。

例えば、30％安くなるということは、1泊2食付き15,000円で2名で泊まった場合、9,000円もお得に泊まれるわけです。
「旅行代理店の仕事は、お客様からの予約の申し込みを宿に伝えるだけだ。それで9,000円も上乗せされるのは納得いかない！」と感じました。
9,000円というのは、ちょっと贅沢な昼食を食べたり、お土産を買うことができるほど大きな金額ですから。

すぐにこのような卸価格販売のサービスがないかをリサーチしましたが、まったく見当たりませんでした。
すべて横並びの料金を表示しているものばかりで、この価格に30%もの旅行代理店手数料が上乗せされていると思うと、旅行に行く気さえ失せるような感覚を覚えました。

そのとき、「ないのであれば自分で作ろう」と考えたのです。

まずはビジネスプランを作らなければと思い、車の中で一気に事業計画と宿への提案企画書を書き上げました。
お客様の目線で書いた宿向けの提案企画書は、きれいな写真や仕組みを説明するようなデザイン性も低い、A4用紙10ページにも及ぶ、旅行業界の新たな仕組みを創造するという思いの丈を語ったものでした。

旅行業界経験ゼロの素人であり、まったくのお客様視点の発想から生まれたサービスは、約1ヶ月後の10月25日に42軒の宿でスタートしました。